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五感力Basic Step10『五感が引き起こす感情と体験の記憶』

2025 7/25
五感力B
2025年4月28日2025年7月25日

この五感力を鍛える・Basicは、ご登録いただいた方にメール配信していたメールレッスンのテキストを改編してAdvanceとするにあたり、加筆修正して一般に公開することにしたものです。

Step10の今回は『五感が引き起こす感情と体験の記憶』をテーマにお届けします。

なぜ、感情なのか?

それは、感情というものが五感の感覚から発生するからです。

私たちは、自分の外側の世界で起きていることを、五感の感覚を通して情報を受け取っています。それが神経を通って脳に伝達され、生理的反応(汗をかく、涙が出る、顔が赤くなる、心拍数が上がる、呼吸が荒くなる、血圧が高くなる、など)を起こしながら、その情報に対してなんらかの感情が発生し、外側の世界に対して行動(逃げる、向かう、声に出す、身体まげる、拾い上げる など)を起こすのです。

例えば、

  • 怖いゾンビ映画を見ていて、あまりに怖いと感じて、テレビのチャンネルを変える
  • 近隣で解体工事があって、あまりにうるさい音がしてイライラして、現場関係者にうるさいことを伝える
  • 金木犀が咲いて花の香りが漂ってきて、いい香りだと感じて、大きく深呼吸する
  • ランチで入ったレストランのオムライスの味が気に入って、また食べに来ようと決める
  • 急に気温が高くなって汗ばんできたので、暑さを感じて、羽織っていたジャケットを脱ぐ

などなど

このように私たちは出来事の中で感情を発生させ、同時に、そのことに対して身体の反応として行動を引き起こします。そして生まれてから今日まで、出来事の中で体験したこと(感情や反応の仕方)を学習していきます。

特に、何度も繰り返し経験したこと、印象的な(インパクトのある)体験をしていくと、それが重要なことだと認識して強く記憶に残ります。

強く記憶に残った体験は、その体験の五感の要素とともに、そのとき感じた感情にひも付けされています。なぜなら、再び同じような状況になったとき、感情エネルギーを活用して即座に反応できるように、脳には防衛本能が備わっているからなのです。

一度大きな犬に噛まれた経験のある人は、犬を見ただけで自動的に「怖い」という感情を発生させ、冷や汗をかいてそこから後退りするでしょう。

また犬と家族のように暮らしてきた人にとっては、どんな犬でも愛おしむべき存在となり、見ているだけで頬が緩むような微笑みが浮かんでくるでしょう。

特に強い恐怖体験、トラウマともなるような体験をしたときは、突然フラッシュバックといってそのときの映像記憶がよみがえり、過呼吸や心拍数の上昇など身体に影響がでる生理反応が起きることさえあります。

このように人は、過去の体験を五感の要素を使って記憶し、そのときの感情の記憶を合わせて記憶し、その記憶が、今現在の感情を引き起こして行動を止めさたり、推進させたりしているのです。ですがそのことには気づいていません。

私たちは、自分自身に起きていることなのに、

  • 一瞬であるがゆえに感情自体に、気づかなかったり
  • 心の中にとどまっているにも関わらず、理由がわからない

ということがほとんどで、感情は自動的に発生しているものです。つまり、私たちは意図的に“「さあ、怒ろう」とか、「さあ、悲しもう」とか、「さあ喜ぼう」というようにして感情を発生させているわけではない”ということはお分かりいただけると思います。

心理学などでは、

  • 行動がある →   感情が発生する
  • 感情がある →   行動が発生する

などの

「行動が先だ」、「感情が先だ」という議論が起きますが、それ自体はナンセンスで、私たちは常に何らかの状況に置かれていますが、その状況に対して何らかの感情が湧く人もいれば、特になんの感情も湧かずに行動を起こしている人もいるからです。それは先で述べた、犬との接し方と同じで、あなたと同じ体験(五感と感情の体験)をしている人は、他にはいないのです。

もともと私たち人間の脳は、進化の過程で変化し新しい機能を持ちながら今のような構造になり、それと同時に物事に対しての反応として感情や思考が発生しました。

脳の進化の第一段階で、生命としての私たちは、まだ人間の形をしてはおらず海から陸上に上がったばかりの爬虫類です。本能的に生き延びるために敵を見つけると、威嚇して戦うか隠れて逃げるかの反応を示します。これは怒りの感情にもつながる反応で、今も人の脳にある大脳基底核と脳幹が担って根源的な生命維持をする役割を担い、呼吸、体温調節、心臓の拍動、食欲、睡眠欲、性欲、ホルモン分泌、などを調整しています。

脳の進化の第二段階では、人は生命体として鳥のような恒温動物や哺乳類となって発達し、子孫を残ことすようになったことで子供を育てることが重要となると、それに関する脳の部位・辺縁系が発達し、愛情、不安、恐怖、憎しみ、喜びという感情が生まれます。

脳の進化の第三段階では、猿のように集団行動をすることが生き延びるためには有利だとわかると、その種の生き物の中でリーダーが生まれ集団の中でどう振る舞うか、という計画や思考が脳に求められ、より高度な創造性や思考性をする大脳皮質が形成されます。

このように脳の進化と共に生きる上での機能を身につけ、それぞれの脳の部位が連携して、今の私たちを維持しています。

辺縁系に属する脳の部位のなかでも扁桃体は感情を司ると言われていますが、不安や恐れは生命として生き延びるためにとくに重要で、これらの感情は五感からの情報で、「危険だ」と感じたことから身を守るために発生します。目の前に自分より大きな獣がいたとき、恐怖や不安を感じて逃げるように身を隠す(逃走)か、怒りを闘争心に変えて唸り声をあげて相手と戦うか、他の脳部位と連携しながら、身体的な動きと合わせて反応をするのです。

このように、私たちが感情を発生させるのは全て意味があることで、生きていくための生物としての戦略です。そして、過去の体験の記憶(五感の要素と感情の記憶)は今現在に影響しています。

このことは、逆に考えれば、五感の感覚からアプローチして過去の体験の印象を変えることは可能だということです。出来事そのもののがあった事実は変えることはできませんが、その体験の印象は変えることができるわけです。

感情は波のようなもので常に一定ではないといわれますが、それでも穏やかな感情を維持することは可能です。もし、同じような感情にいつもいつも悩まされるとしたら、その感情はプログラム化(パターン化)していたり、同じような状況のなかにい続けていることから起きています。

また、感情の影響は、トラウマ体験や生理的身体反応、行動やその成果だけではありません。
さらに深い心理的な要素や自己実現、自己評価にまで絡んでいるものです。

  • あなたが今の自分をより良くしたい
  • 人生をもっと快適にしたい
  • 自分らしい生き方をしたい

と望んでいるのであれば、あなた自身が感じている五感の感覚を見直してみてください。そしてそこからどのような感情が発生しているのかを感じ取ってみてください。

自動的になっていたそうした感覚や感情に意識を向け、あなた自身の指標で、心地よいと思うものを選択していくことです。

五感力B
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